2025年10月号 クリスチャン新聞 福音版
クリスチャン新聞「福音版」は、キリスト教入門への月刊新聞(タブロイド判)です。
分かりやすい聖書からのメッセージの第1面と、クリスチャンの人間ドキュメントを掲載している第4面(最終面)はカラー刷りです。
聖書のことばに聴く
目が手に向かって「あなたはいらない」と言うことはできないし、頭が足に向かって「あなたがたはいらない」と言うこともできません。それどころか、からだの中でほかより弱く見える部分が、かえってなくてはならないのです。 新約聖書・コリント人への手紙第一12章21〜22節
外国の見知らぬ土地で親切にされるとホッとするものです。文化も習慣も違うので分からないことだらけ。もしかしたら、知らずに不快感を与えているかもしれません。だからといって、「ここはおまえのような者の来るところじゃない」と邪険にされたら、不安な上に悲しい気持ちになるでしょう。
連載 聖書エッセイ 私もこれで悩んでます
《7》犬の幸せ・人の幸せ
更正教会牧師 山口紀子
ひょんなことから実家で捨て犬を飼うことになりました。当時、小学生だった甥(おい)たちは大喜び。「クマのプーさん」のクリストファー・ロビンからロビンと名づけられ、甥たちとその友だちのアイドルとなりました。やがて兄家族が他県へ転居、高校生になっていた甥二人は実家に残りましたが、進学のためにその二人も実家を離れました。そうして家族が一人減り二人減り、母と姉だけになった時期に、その事件は起こりました。
連載 物語とキリスト教 深掘り・世界の名作文学
Vol.19 「二十日鼠と人間」
小松原宏子(児童文学作家・翻訳家)
小男のジョージと大男のレニーは、いつもふたり一緒に旅をしていました。ふたりは流れ者の労働者でしたが、ひとつところに長くいられないのは、いつもレニーが何かしら問題を起こすからでした。ニーは力持ちで、どんな重労働でもやすやすとこなせるのですが、言われたことをすぐ忘れてしまい、子どものように、自分の欲求にすぐに従ってしまいます。レニーは、手触りのいい小動物をなでるのが好きでウサギを飼うのが夢でしたが、どんな動物でもかわいがるあまりに力を入れすぎて殺してしまうのが常でした。
連載 小さな命の帰る家
第7回 永遠の御手が下に
松原宏樹(小さな命の帰る家 代表)
ダウン症の大和(やまと)が昨年マイコプラズマ肺炎にかか って長期の入院をいたしました。初めての場所や人が苦手な大和は、入院当日ものすごく興奮してしまい、治療中も私が両手を抑えています。それでも、大声で叫び続けます。酸素を鼻にあてるのも嫌がりすぐに外してしまいます。入院初日、私が付き添いをしましたが、不安な大和はベッドで一晩中叫び続けていました。少しでも安心してもらおうと小さなベッドに共に横になり、少しでも眠ることができるように大和を抱きしめていました。人間にとって安心できる場所、安心できる人がそばにいるということは大きな恵みなのです。
連載 中動態? 心に寄りそう聖書のメッセージ
19 弱音を吐けるという信頼
中村穣(飯能の山キリスト教会牧師)
それからイエスは少し進んで行って、地面にひれ伏し、できることなら、この時が自分から過ぎ去るようにと祈られた。そしてこう言われた。「アバ、父よ、あなたは何でもおできになります。どうか、この杯をわたしから取り去ってください。しかし、わたしの望むことではなく、あなたがお望みになることが行われますように。」(新約聖書・マルコの福音書14章35、36節、太字著者)
ひとそのあしあと
私が神様を忘れても、神様は私を忘れない
牧師 吉田晋悟 さん
大阪府堺市の牧師、吉田晋悟さんと、若年性アルツハイマー型認知症となった妻の多美子さんの日々は、書籍やテレビで紹介され、多くの反響を呼んだ。病を前向きに受け止め「私は私として生きたい」と、高らかに語った多美子さんは、昨年晋悟さんに見守られながら天に召された。最期まで「世の光でありたい」と願い続け、「私を用いてください」と祈っていた姿を、晋悟さんは深い愛と敬意を持って振り返る。
いのちのことば社
2025年10月号 クリスチャン新聞 福音版