平和をもたらす者は幸い 上智大学神学講習会
宗教こそ人類の戦争と暴力、
対立と分断の 第一原因なのか、それとも・・
聖書にも散見される、土地や財産の奪い合いを目的とした戦争、聖絶、生贄、犠牲……。
真の平和を心から希求する現代の信仰者は伝統宗教の中に平和と共存の根拠を探す出すことが出来るのか。
真摯な問いに答えるべく編纂された論考集。
人間相互の関係性のうちに「調和、安寧、十全さ」という意味での「シャーローム」が実現するためには、神からもたらされる恵みの要素が根本的に必要であるという現実に、私たちの目は開かれるのではあるまいか。
そしてそのためには、「シャーローム」にかかわる一人ひとりが、神の恵みへと秩序づけられ、神の「シャーローム」と響き合っていることが求められるのではなかろうか。
そして畢竟、こうした一人ひとりの存在が神の「シャーローム」と響き合っていることこそが、この世界に真の「シャーローム」を実現していくための、泥臭い地道な道行きの第一歩なのだと言えるのではないだろうか。(本文より)
主な目次
まえがき 酒井陽介
〈シャーローム〉と〈言葉〉の物語としてのヨセフ物語 ― 旧約聖書における〈シャーローム〉の諸相 大西崇生
イスラーム教における平和とヒューマニズム フランシスコ・プルハスタント
競って善行を果たせ ― 現代スーフィズムにおける共生の理想と現実 丸山大介
教会は「平和のパン種」になれるのか ― エキュメニカルな視点から 増田 健
あとがき フィルマンシャー・アントニウス
フィルマンシャー・アントニウス/酒井陽介[編]
四六判・176 頁
出版:ヨベル
2025年7月
平和をもたらす者は幸い 上智大学神学講習会