聖書における和解の思想
現代世界の最重要課題「和解」について、聖書は何を語るか?
異なる価値観をもつ人々が、いかにして「和解」による対話と共存の可能性を探りうるのか。共同体の危機のさなかで編まれた旧新約聖書は、この課題にどのように取り組んでいるか。七人の気鋭の神学者・聖書学者が集い、聖書における「和解」の思想を論じ尽くす意欲作。
<目次>
まえがき
第1部 神学の見地から
第1章 聖書的和解の神学的位置づけ──キリストを通し天と地をつなぐ生き方……藤原淳賀
第2部 旧約聖書学の見地から
第2章 旧約聖書における「和解」序説……左近 豊
第3章 W. ブルッゲマン教授に聞く 「和解」とは何か?
第4章 律法における「和解」──創世記20章を手掛かりに……藤田潤一郎
第5章 預言書と諸書における「和解」……左近 豊
第6章 研究ノート 旧約聖書における「和解」の語彙に関する試論……左近 豊
第3部 新約聖書学の見地から
第7章 神による「愛敵」としての和解──パウロの和解理解をめぐる聖書神学的考察……河野克也
第8章 パウロの「和解」主題……浅野淳博
第9章 誰と誰の和解か?──パウロ的「和解」概念の発展と継承……辻 学
第10章 福音書における「和解」……大宮 謙
第11章 パウロの「和解」理解の継承と課題……河野克也
おわりに 聖書的和解のために……藤原淳賀
あとがき
左近 豊 編
出版社:日本キリスト教団出版局
聖書における和解の思想