リアル・メイキング:いかにして「神」は現実となるのか
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神など信仰の対象になる、目に見えない存在は、信者にとっていかにして「リアル」になるのか。そのメカニズムを福音派をはじめとする宗派へのフィールドワークをもとに文化人類学的に考察する。
<目次>
序
第1章 信仰の枠組み
柔軟な存在論 / 存在論的態度 /トマスを二重化する / リアルであることの種類 / そして、悪魔 / 信仰の枠組み / 真面目な遊び
第2章 パラコズム(空想の世界)を創る
むかしむかし / 物語を現実にする / フィクションから信仰を切り離す / 参加のルール / 参加のしるし / 相互作用の手段
第3章 才能とトレーニング
神秘主義モード / 魔法の列車に乗って / 神を練習する / 没入:才能の本質 / 内的感覚の育成:訓練の働き / 境界を曖昧にする
第4章 なぜ心が重要か
間 / 心 / リンゴと(ある種の)リンゴの比較 / チェンナイ / アクラ / 神は場所によって異なる語り方をする:外部での臨在 / 神は異なる場所で異なる語り方をする
第5章 神々と精霊の反応に関する5 つの証拠
霊的発火(スピリチュアル・キンドリング)/ 比較現象学 / 研究1:ローカルな教会文化も一般的な文化も共有されていない場合 /研究 2: 人々が同じ教会、同じ場所にいる時 / 新しいやり方で注意を向けることを学ぶ
第6章 祈りがきく理由
人はなぜ祈るのか / メタ認知としての祈り / 感謝 / 告白 / 求めること / 祈る相手 / 崇拝:自分が愛される関係をつくる
第7章 応答する神
つながり / つながりの効果 / 神々もまた社会的関係である / 内なる他者 / 想像上の関係 / 徹底操作 / より暗い暗黒面 / 保守主義者ジーザス / 臨在に関わること
謝辞/方法についての注/文献についてのコメント
ターニャ・M・ラーマン(T. M. Luhrmann)[著]
スタンフォード大学人類学部教授。シカゴ大学MA、ハーヴァード大学Ph.D. 心理人類学、医療人類学、科学研究。著書に、When God Talks Back(2012年、米国の福音派の研究)などがある。また24年3月に本書によってSchool for Advanced Research Awards the 2024 J. I. Staley Prizeを受賞。
柳澤田実(やなぎさわ・たみ)[訳]
1973年ニューヨーク生まれ。専門は哲学・キリスト教思想。関西学院大学神学部准教授。東京大学21世紀COE研究員、南山大学人文学部准教授を経て、現職。編著書に『ディスポジション──哲学、倫理、生態心理学からアート、建築まで、領域横断的に世界を捉える方法の創出に向けて』(現代企画室、2008)、2017年にThe New School for Social Researchの心理学研究室に留学し、以降質問紙調査を日米で行いながら、宗教などの文化的背景とマインドセットとの関係について研究している。
慶應義塾大学出版会 (2024/11/26)
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