(中古)ロザリオの鎖
※昭和54年19刷りのものです。書き込みは見当たりません。古いので経年劣化はあります。最後の見返しに教会の印鑑が押されています。
大学で被爆してから3日後に帰った自宅の焼灰の中に妻の骨盤と腰椎、ロザリオの鎖を見つける。
焼けただれた“ロザリオの鎖”を残して原爆の犠牲となった愛する妻。その妻を偲びながら、残された二人の幼子たちと追憶と悲嘆の生活ではなく、再建と希望へと向かう姿を描く原子野記録。
「苦しむのも寂しがるのもあと十年だ。十年の間我慢してしのげばいいのだ。父母の思い出は一生の宝だ。それを十年の我慢ができなくて売ってしまうのは愚かなことだ。」
人類史が忘れることのないあの8月9日から母を失った2児に、母ともなろうとした父親の生活がはじめられた。
著者:永井隆
明治41年(1908)2月3日~昭和26年(1951)5月1日。医師。島根県松江市生まれ。母校 長崎医科大の研究室にて被爆。重傷を負うが献身的な救護活動を行う。ベストセラーとなり、映画化もされた『長崎の鐘』は救護現場にあったからこその凄絶な描写である。昭和21年長崎医科大学教授に就任。同年7月病床に臥す。二人の愛児とわずか2畳の如己堂(にょこどう)で生活。そこで遺書のように書かれたのが『この子を残して』。
中央出版
(中古)ロザリオの鎖