自己建設
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(本書「はじめに」より)
この本は、
「自分と同じように、あなたの隣人を愛せよ。」
というイエス・キリストのメッセージから出発して書かれています。
このメッセージは、聖書のただ一箇所に書かれてあるのではなく、
レビ記一九章一八節、マタイの福音書一九章一九節、同二二章三九節、
ルカの福音書一〇章二七節、ガラテヤ人への手紙五章一四節と、
何回も何回も繰り返されている大切なメッセージです。
それでは、なぜ、このイエス・キリストのメッセージが自己建設に必要なのでしょうか。
その答えを結論から申し上げますと、私たちは、神を愛することによって、自分の大切さや自分の価値を悟り、自分を愛することを始めるのです。
このようにして自分に自信を持ち、自己建設の一大事業をスタートするのです。
今は、家庭の主婦も外に出て働く時代です。若い美人の奥さんが目の前にチラチラし、大学出たての青年があなたの心を引くかもしれません。人はみなアバンチュウルを求めて職場に出かけているみたいです。あるいはまた、定年まで働いて、自分の年金で悠悠自適の生活を計画している人もおられるでしょう。
私はそのような計画を立てていた主婦を知っています。
しかし彼女は賢かった。
彼女は私の著書「妻の役目」を読み
「二〇年後には、職についているということ以外に何一つ身につけていない自分と、荒れはてた家庭が残っているに過ぎなくなってしまうのです。」とは、自分のことだと悟ったのです。彼女はその年の暮、職場を辞め、神を愛し、夫を愛し、子どもを愛し、家庭を愛する自己建設の道を選んだのです。
自己建設は、家庭建設でもあり、子どものしつけでもあるのです。
花が一輪咲くことによって、どれほど多くの寂しい人、悲しい人を慰めることができるでしょうか。それと同じで、ひとりの人が愛に生きることによって、夫も妻も子どもも、老人も、接するすべての人が神の恵みを受けることができるのです。
これは決して難しいことではありません。
私は、この本で、できるだけ分かりやすく、だれにでもできることをご紹介してみたいと思います。
私がこの本で試みようとしていることは、人間の心の中に巣くう、自分を責める思い、劣等感、空虚な優越感(即ち、虚栄心)などの罪深い否定的な心の態度から抜け出し、神の愛に満たされた積極的な生き方に変わることです。
これこそ、自己建設の神髄だと信じるからです。
(目次)
第一章 あなたは、どんな人になりたいのですか?
あふれた下駄箱
もっと自分を大切にすると効果がある
タタミを叩いて泣いたスミス氏
家庭の中で社長はいない
私は象やライオンよりも偉大である
第二章 自己建設の土台は自己
赤いサングラス
ブルドックにほえられたことはない
勲章の行列
自分のしたいことをする
自分のほんとうの価値
生きていてよかったと分かる時
あなたは、なくてはならない重要人物
ブレーキをかける
誠実感を呼び起こす
自分の能力の計算
「自分はすばらしい人間になれる」と信じなさい
第三章 自分を愛していないと
どん欲
自信がない
殻の中に閉じこもる
怒りっぽい
うらやみ、ねたみ、しっと
子どもに対して過保護
しあわせを分かち合えない人
否定的な材料を拾うのが好き
今までのものとは違った種類の愛が私をハッとさせました
第四章 はつらつと生きるためには
ぬるま湯の危険
すばらしい人生をもたらしてくれる勇気
否定的な偏見からの解放
自信が持てる
困難が乗り越えられる
頭より広い心の持ち主
神の力を持つ
第五章 自己建設を妨げるもの
自分自身をよく知れ
離婚より夫婦ケンカのほうが良い
甘えから抜け出せ
ひとりになることを恐れてはいけない
子どもをスターにしてはいけない
別の道を考えなさい
貧しいことは、悪いことか?
貧しいことと、だらしないこととは同じではない
自分で作り出すことを経験しよう
体の調子はいかがですか?
宗教の大きな間違い
クリスチャンの大きな間違い
自己否定は、何のために、何を否定するのか
第六章 良心の責め
熱心な努力によって、罪の責めはなくならない
人生が面白くなくなる
罪・かくれる・恐れる
唯物主義者の多い理由
神を信じないことは得策か?
愛を呼び起こす心の交流
自己批判をやめなさい
世界を相手に怒る人
素直に事実を受け入れなさい
心の中の罪を告白しましょう
神のゆるしを信じなさい
あなたは思いやりのある積極的な人間になったのです
罪の刑罰はもう終わっています、繰り返すことはできません
第七章 自己建設の手始め
自分の好きな仕事をする
創造的な仕事をする
人格的に立派な人と交わる
清楚でさっぱりした服装をする
自分に感銘を与えるような挑戦を自分にする
忠告や批評を正しく受けとめる
ほめ言葉を正しく受けとめる
偉大な人物と友だちになりなさい
酒に救いを求めない
みんなと違っていても、恐れない
屈辱的な事態に心を開く
第八章 上に伸びるためには、下に深く
「とにかく、やってみた。」ことが大切
さらに深い探究
失敗を恐れないこと
失敗を恐れている人は、何をしても失敗する
なぜ、恐れるのか
恐れと確信の心理的メカニズムの違い
架空の恐れに屈服する
自分に自信が持てなくなる
あなたが自分を見捨てる時にだけ、神も人もあなたを見捨てる
病的完璧主義になる
あなたは、地球上で唯一の人間
神は、今のままのあなたを愛される
自分になりきりなさい
見せかけの自分の上に、自己建設はできない
否定的に考える習慣に勝つ
あなたは昔のあなたではない
成長するには、自信が必要です
勝利の栄冠は傍観者には与えられない
夢を描き、それを設計し、それに取りかかってください
第九章 不利な条件の中での自己建設
困難をやり抜くことは、感動的なことです
人の目に美しく映るものがある
必要なのは、自分の価値を信じることだけです
苦難は強く生きるためのジャンプ台
奇跡を行なうことができる環境
第十章 心に受けた傷は、いやせるか?
「ああ、もうだめです。」
感情的に沈んでいくことにブレーキをかける
心が落ち着くまで、何もしないこと
否定的に考えこまないこと
自己憐憫に陥らないこと
信仰による徐々の治療
歯車は同じ方向にまわっていないが一つの働きをする
第十一章 自己建設者の輝かしい道
自分に新鮮な魅力を感じる
祈ること
神を求めること
真実で正直な生活をすること
神の約束を信じること
自分自身を神にまかせること
のたうちまわった、あの時
期待して待ち望むこと
神は、愛する者に最上のことをされる
感謝すること
うしろのものを忘れ、前に向かってひたすら進んでください
(著者紹介)
まなべ あきら(真部 明)
1942年7月25日 香川県で生まれる。
大学卒業後、5年の社会人経験を経て神学を志す。
30代で牧師に就任。
神奈川県と大分県で伝道後、1978年横浜市に地の塩港南キリスト教会を設立。
40冊以上の著書を出版し、現在も日曜礼拝の文書やCDを発行して伝道に力を尽くしている。
(代表作)
知られざる力
悩みに勝つ力
クリスチャンの成長の秘訣
日本人のための福音入門
人を動かす愛
最高の生き方
結婚へのアドバイス
心を満たす祈り
教会学校生徒のちから
…他多数
出版:地の塩出版
自己建設