境界を越える神の救いの計画 宗教間対話の新たな地平へ

  • 境界を越える神の救いの計画 宗教間対話の新たな地平へ
キリスト者の信じる神の救いは宗教の境界を越えるのか―他宗教に対するキリスト教の態度、神の計画の中での諸宗教の位置づけを検討しつつ、多くの宗教が並び立つアフリカでの経験から日本における福音宣教と宗教間対話への新たな取り組みを提示する。

【目次】

はじめに

1章 神の救いの計画に対するデュプイの神学
1 デュプイの神学
デュプイの神学の原点と展開/デュプイの神学に影響を与えた思想家
2 救いの計画――オイコノミア
「救済のオイコノミア」の概念/神の計画の基本的な特徴
3 救いに関する三つの類型論とそれに対するデュプイの見解
排他主義/宗教的包括主義/宗教的多元主義/デュプイの包括的多元主義
4 ま と め

2章 異なった宗教・宗派に対するキリスト教の態度
――聖書の寛容と不寛容
1 旧約聖書の影響――不寛容と寛容の態度
「ヤハウェのみ」、ねたみの神/唯一の神、救いの普遍性
2 イエスと使徒時代の教会の態度
ユダヤ教に対するイエスの態度/ユダヤ教神殿での差別に対するイエスの態度/異邦人に対するイエスの態度/異教徒に対する使徒たちの態度/イエスと使徒時代の態度からの考察
3 初代教父たちの態度と神学的基礎づけ
初代教父たちによる「ロゴスの神学」/ユスティノスの「種子的ロゴス」/エイレナイオスの「啓示するみことば」/アレクサンドリアのクレメンスの「契約のロゴス」/教父たちの「ロゴス神学」の評価
4 ローマ教会時代の「教会の外に救いなし」という教義
5 第二バチカン公会議による刷新と新たな態度
他宗教に関わる第二バチカン公会議の公文書/諸宗教に対する第二バチカン公会議の「宣言」/第二バチカン公会議におけるロゴス神学の再確認
6 ま と め

3章 諸宗教に関するキリスト教のパラダイムシフト
1 使徒時代から第二バチカン公会議までのパラダイムの概要
原始キリスト教的−黙示的パラダイム/古代教会的−ヘレニズム的パラダイム/中世的−ローマ・カトリック的パラダイム/宗教改革的−プロテスタント的パラダイム/啓蒙主義的−近代的パラダイム/同時代的−エキュメニズム的パラダイム
2 現代のキリスト教神学におけるパラダイムシフト
教会中心主義からキリスト中心主義へ/キリスト中心主義から神中心主義へ/パラダイムシフトにおける問題
3 三位一体的なキリスト論の提案
救いの歴史/デュプイの三位一体的なキリスト論
4 対話の神学

4章 救済のオイコノミアにおける宗教的多元性の位置づけ
1 宗教的多元性と神の意志
神へのあこがれ/宗教的多元性は神によって容認された/宗教は神からの人々への贈り物である
2 神と人類(諸民族)との契約
アダムの時/ノアの時/モーセの時/福音の時代/神の全人類との契約は決して破棄され得ない
3 救済のオイコノミアにおける他宗教の役割
人類に対する教育法の一要素としての役割/神探求の助け/他宗教の存在はキリスト者の信仰を深める/神が自身を顕現される道具/諸宗教は福音への準備である/他者を受け入れるための助けとなる
4 救済のオイコノミアにおける仲介者の問題
キリスト教における「かけがえのない救いの仲介者」/唯一の仲介者と複数の参与的な仲介者
5 宗教的多元性に対する考慮事項
6 ま と め

5章 日本における福音宣教と宗教間対話
1 日本における宗教観(宗教の意義)と福音の受容
日本における宗教観/日本における福音宣教の受容/福音宣教とインカルチュレーション
2 福音宣教と宗教間対話
福音宣教における「宣言」と「対話」/宗教間対話の目的と実践
3 福音宣教における現代教会の役割
4 ま と め


引用・参考文献
あとがき

出版社: オリエンス宗教研究所
著訳者: カブンディ・オノレ:著
発売/発行年月: 2024年3月
判型: B6
ページ数: 259

境界を越える神の救いの計画 宗教間対話の新たな地平へ

1,980円(本体1,800円、税180円)

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