日本近代文学と聖書
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永遠の「まなざし」に屹立する鷗外
〈愛〉の欠如に苦悩する漱石
福沢諭吉から阪田寛夫まで,
傍系の文学者を貫く「聖書」の光を探る試み.
目次
鷗外と漱石
1 森鷗外と〈主〉
2 夏目漱石と倫理
近代の名著と世界観
1 修善寺大患と命根の行方 夏目漱石「思ひ出す事など」
2 明治の精神と倫理の昏さ 夏目漱石「こゝろ」
3 「時」の遡行と母の微笑 夏目漱石「硝子戸の中」
4 懺悔と自伝的小説の狭間で 夏目漱石「道草」
5 人材を知りての恋 森鷗外「舞姫」
6 皇室の藩屏たる国史学者のゆらぎ 森鷗外「かのやうに」
7 献身の少女たちが拓くもの 森鷗外「山椒大夫」「最後の一句」
8 磔に処せられた良知 森鷗外「大鹽平八郎」
9 独立自尊と学問の意義 福沢諭吉「学問のすゝめ」
10 造物主のこころに従う 福沢諭吉「福翁自伝」
11 ピューリタンの勤労倫理と自助自立 サミュエル・スマイルズ、中村正直訳「西国立志編」
12 きみはどんなをもって生きているか 内村鑑三「後世への最大遺物」
13 異邦人のキリスト教「航海日誌」 内村鑑三「ぼくはいかにしてキリスト教徒になったか」
14 苦難の意義と新生への希求 山本周五郎「おごそかな渇き」
15 聖なる存在の形象 山本周五郎「さぶ」
16 寄留の民、あるいは逃れの町 山本周五郎「その木戸を通って」
17 罪を知った者は人を裁かない 山本周五郎「赤ひげ診療譚
18 賞賛の嵐の中の失意 三浦綾子「氷点」
19 一粒の麦もし死なずば 三浦綾子「塩狩峠」
20 しい者の苦難を誰が贖ってくれるのか 三浦綾子「泥流地帯」
21 再び背後に足音が迫る日 三浦綾子「銃口」
22 カトリック文学批評家のサディズム小説 遠藤周作「白い人」
23 罪意識なき日本人青年の告解 遠藤周作「黄色い人」
24 〈いのち〉と罪への無感覚 遠藤周作「海と毒薬」
25 家に響いた「音楽」 阪田寛夫「音楽入門」
26 母の信じた「神」への祈り 阪田寛夫「土の器」
27 静まりて我の神たるを知れ 阪田寛夫「バルトと蕎麦の花」
底本・補註
あとがき
【著者略歴】
大田正紀(おおたまさき)
1949年三重県紀北町に生まれる.三重県立松阪商業高等学校を2年1学期で中退,兵庫県立神戸高等学校に1年2学期に編入学し,卒業.1970年関西学院大学文学部に入学,日本文学科で実方清教授の指導を受け,1974年卒業.卒業論文「夏目漱石『行人』論」.2年間�螢�ワムラサイクル本社営業部に属し,愛知県小牧市,三重県四日市市,静岡県藤枝市,清水市などで地方勤務する.1976年関西学院大学大学院文学研究科日本文学専攻に入学し,水谷昭夫教授の指導を受ける.修士論文「北村透谷文芸の世界『楚囚之詩』論」.1980年同大学院後期博士課程中退,聖和大学助手に採用され,1981年専任講師,1986年助教授.1987年梅花短期大学国語科設立のため転学し,助教授,1998年教授,2004年梅花女子大学文化表現学部日本文化創造学科教授.2013年同大学を定年退職.梅花女子大学名誉教授.
専攻テーマは,「近現代日本文学とキリスト教」. 島畸藤村学会,有島武郎研究会,日本キリスト教文学会,日本カルヴィニスト協会などに所属.日本キリスト改革派灘教会長老.
出版社: 一麦出版社
2023年12月
判型: 四六
ページ数: 302
日本近代文学と聖書