聖なるもの
ドイツの代表的プロテスタント神学者・宗教学者ルードルフ・オットーの『聖なるもの』は、宗教における非合理的要素と合理的要素の関係を明らかにし、宗教の本質を人間にとって神秘的で非合理的なもの、戦慄すべきものとして抽出、ヌミノーゼという造語で名付けた宗教学の古典的名著。このたび読みやすく新たな翻訳でお届けいたします。付録にオットーの比較宗教研究論文「仏教におけるヌミノーゼなもの」も収録。豊富な訳注・索引付き。
第一章 合理的と非合理的
第二章 ヌミノーゼなもの
第三章 「被造物感」 ――自己感情におけるヌミノーゼな客体の感情の反射としての(ヌミノーゼの要素 第一)
第四章 畏るべき神秘(ヌミノーゼの要素 第二)
一、「畏るべき」という要素
二、優越するものの要素
三、「エネルギッシュなもの」の要素
四、神秘の要素(「全く他のもの」)
第五章 ヌミノーゼな賛歌(ヌミノーゼの要素 第三)
第六章 魅惑するもの(ヌミノーゼの要素 第四)
第七章 不気味なもの(ヌミノーゼの要素 第五)
第八章 対応する諸事象
一、対立・調和
二、感情連合の法則
三、図式化
第九章 ヌミノーゼな価値としての神聖、尊厳なもの(ヌミノーゼの要 素 第六)
第十章 何が非合理的と言われるのか
一、直接的な手段
二、間接的な手段
三、芸術におけるヌミノーゼなものの表現手段
第十一章 ヌミノーゼなものの表現手段
一、直接的なもの
二、間接的なもの
三、芸術におけるヌミノーゼなものの表現手段
第十二章 旧約聖書におけるヌミノーゼなもの
第十三章 新約聖書におけるヌミノーゼなもの
第十四章 ルターにおけるヌミノーゼなもの
第十五章 発 展
第十六章 ア・プリオリなカテゴリーとしての「聖なるもの」 第一部
第十七章 素質の歴史的表出
第十八章 「原生のもの」の要素
第十九章 ア・プリオリなカテゴリーとしての「聖なるもの」 第二部
第二十章 現れた「聖なるもの」――直感の能力
第二十一章 初期キリスト教における直感
第二十二章 今日のキリスト教における直感
第二十三章 宗教的ア・プリオリと歴史
付録 仏教におけるヌミノーゼなもの
――坐禅におけるヌミノーゼな体験――
著者:ルードルフ・オットー
訳者:華園聰麿
出版:創元社
聖なるもの