牧会者ルター
ルターの宗教改革は、信徒たちへの牧会的な配慮が直接の動機であった。彼の宗教改革運動とその神学を、ルター研究史の中でしばしば見落とされてきた「牧会」という視点から詳細に考究する。「魂への配慮者ルター」について、日本人が書き下ろした不朽の名著。
【目次】
序文(岸 千年)/まえがき
第一章 牧会者ルター
第二章 ルターをとりまいた牧会状況
第三章 ルターにおける牧会の枠組
一 牧会の基点
二 現実的洞察力
三 信仰者のもつ臨場性
第四章 ルターの牧会を支えた神の言葉
一 神の言葉にとりつかれる
二 隣り人とともに
三 「律法と福音」として
第五章 牧会の場としての教会
一 キリスト者の集まりを背景とする牧会
二 牧会を負うもの
三 この世的統治と関連して
第六章 牧会のつとめ
一 説教
二 礼拝
三 教育
第七章 牧会の会話
一 悔い改め、告白、ゆるし
二 祈り
第八章 「神のかえりみ」表出としての牧会の言葉
一 生の出発
二 生の発見
三 生における召命
四 生の献身
第九章 牧会の終末論的視野
一 死ぬべき生を生きる
二 死の発見
三 ルターにおける「天」と「陰府」
第十章 現代牧会論へのルターの発言
一 二領域的思考に対して
二 「受肉」なきキリスト論にたつ牧会論の問題
三 「信仰の類比」の方法論について
注/むすび
補遺 岸千年先生のこと/復刊にあたり/索引
石田 順朗:著
A5判 並製 274ページ
日本キリスト教団出版
牧会者ルター