神学は語る たとえ話
興味深い神学テーマをとりあげ、学びの簡潔な見取り図を提供するシリーズ
イエスのたとえ話は、イエス自身が「神の国」の使信をどう伝えたかを知る上で、最も重要な資料と考えられてきた。本書は神学者が重ねてきた膨大な議論を、歴史的批評、文学的批評、社会科学的批評など大きく七章に分類し、「たとえ話」研究の最先端へと読者を導く。
【目次】
序論
第1章 たとえ話に対する歴史的批判的アプローチ
歴史的終末論的アプローチ
編集史批評的アプローチ
たとえ話と「新解釈学(New Hermeneutic)」
第2章 たとえ話に対する文学的アプローチの出現
審美的修辞的批判
隠喩としてのたとえ話
審美的対象としてのたとえ話
ワイルダー、ファンク、ヴァイアの様々な遺産
構造主義の短い支配
結論
第3章 たとえ話に対する文学的アプローチの成熟
ジョン・ドミニク・クロッサン
バーナード・ブランドン・スコット
たとえ話の文脈的読み
結論
第4章 たとえ話とそのユダヤ的文脈
ヘブライ語聖書におけるマーシャル〔Māšāl=たとえ話〕
ヘブライ語聖書の中のたとえ話
最近の研究におけるマーシャル
マーシャルとしてのたとえ話:ラビ文学の事例
ラビのたとえ話とイエスのたとえ話
第5章 たとえ話とそのヘレニズム的文脈
たとえ話のギリシア語
たとえ話とギリシアの寓話
たとえ話とパイデイア(Paideia)
結論
第6章 たとえ話とその社会的文脈
たとえ話と社会科学
名誉と恥
古代の経済:限られた富と保護者─仲介者─被保護者関係
古代の経済:たとえ話についての農民の読み方/聴き方
家、ジェンダー・ロール〔男女の性別役割〕、
そして女性に関するたとえ話の描写
結論
第7章 直喩と隠喩から象徴と象徴言語へ
たとえ話と進化的な神の国
たとえ話と差し迫った黙示的神の国
たとえ話と現在実現された神の国
たとえ話と部分的に実現された神の国
たとえ話と非時間的な神の国
寓喩の再考:寓喩、隠喩、そしてたとえ話
たとえ話と解放する神の国
寓喩の再考:セム語の文脈
寓喩と神の国の再考:詩的創作としてのたとえ話
よみがえった寓喩:寓喩とイエスの声
結論:たとえ話、隠喩、そして象徴言語
結論/さらに学ぶために/索引/訳者あとがき
著者:デイヴィッド B.ガウラー
訳者:駒木 亮
出版:日本キリスト教団出版局
神学は語る たとえ話