日本宣教論
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日本宣教を考えるにあたり、普通は無視されている諸条件を並べ、論じたものです。日本宣教の論議が深まる一書です。さらに、日本文化のただ中での教会の構築を考えます。
はじめに 17
<戦責問題におけるタブー> 19
*極東国際軍事裁判
<ヒュー・バイアス>25
第一章・日本の周囲の状況 29
A・インドネシア29
B・アヘン戦争 38
C・フィリピン戦争 39
*グーク42
*スペリー艦隊の日本訪問 44
D・インド 44
E・マニフェスト・デスティニー46
<領土拡張> 46
<先住民> 49
*セミノール族
*テカムゼー
*チェロキー族
<パイオニア精神> 52
F・世界宣教 57
<進歩の概念> 59
<宣教学とマニフェスト・デスティニー> 60
G・リンチ慣習法の禁止 61
第二章・日本国内の状況 65
A・鎖国 65
<キリスト教国の領土的野心>65
<階級社会とバイパス>74
<市場経済の成立> 77
<シュリーマンの江戸来訪> 81
<和風> 83
<仮名の発生> 84
<源氏物語> 86
B・日本人の独創性88
<鋼鉄の鍛造>88
<ジェット・エンジンの開発> 90
<その他の独創的な発明> 91
*CPU
*トロン
*CVCCエンジン
*トリニトロン
C・開国 94
D・開戦96
<満州国建設の意味> 97
<ノモンハン事件> 101
<開戦の詔勅と大東亜宣言> 103
<勝算があっての開戦ではない> 105
*海行かば
*ベネディクトの疑問
E・「きけ、わだつみ」現象 113
F・アメリカ人の無邪気さ 114
<アメリカ文化の偽善と独善> 115
G・日本の戦争責任 116
<戦争責任論のタブー> 117
<日本有罪論の根拠> 119
<日本の植民地問題> 121
<易姓革命> 127
第三章・天皇制 130
A・天皇機関説 130
B・天皇神人説 132
<近代日本と天皇> 133
C・天皇という呼称134
D・天皇礼拝 135
E・ナチズムとの関係 140
第四章・国家神道イデオロギー144
A・戦時中の日本社会 144
B・歴史上の「神道」 147
<原始神道>149
*琉球神道
*ニソの森
*自然崇拝
<朝鮮半島から由来の神道> 153
<御霊信仰> 156
C・徳川幕府の宗教政策 158
<仏教を国教とする> 158
<徳川時代の神道> 159
<国学の興隆>161
<日本人と儒教> 163
D・明治政府と神道 166
<維新と神社神道> 168
*尊皇攘夷
*天皇親政と祭政一致
*神仏分離
*もう一つの分離
*祭神論争
<明治政府の神社政策> 182
*神社行政
*国教化への抵抗
*天皇機関説
*神社神道の非宗教性
*浄土真宗10派の抵抗
*死後儀礼のない宗教
*人工宗教としての神道
*D・C・ホルトム
*国体の本義
*ホルトムの報告をどう考えるか
*神社神道の成立
*国家と宗教の関係
*軍国主義体制の10年間
E・水戸藩を中心とする勤皇文書 203
F・政治の道具としての宗教 204
第五章・まとめ 戦責・天皇・神道 211
A・太平洋戦争の歴史的意義 212
B・戦没者の扱い 213
C・宣教学的な所見215
*日本宣教学と戦争問題
*福音メッセージの再確認
*文化と文化の対立
*井戸垣彰
*日本人と日本文化
第六章・従来のキリスト教と聖書観226
A・キリスト教と文化227
<自己の文化の絶対化>231
B・思想的な単位としてのキリスト教233
C・その時代の文化235
D・旧約聖書の理解 237
E・ガラテヤ書の理解239
F・ケネス・カンツァー 246
G・文化は宣教の触媒 250
<宗教改革と西欧社会> 253
*西欧的社会の優越の観念
*アラブ社会と福音
*民主主義は人類の宝、だが…… H・アメリカ国内の異文化宣教? 264
<アメリカン・インディアン伝道> 264
<米国の黒人キリスト教会> 267
<米国内異文化宣教の評価> 271
I・黒人神学272
下巻 日本的キリスト教会の建設
第七章・日本でも通用するキリスト教 285
A・いままでの日本宣教 285
<西欧的なエートスに包まれた福音> 287
B・触媒としての文化は不完全である289
C・日本的倫理を大切にする 291
<集団性のエートスを大切にする> 292
<急激な変化を嫌う日本人> 295
<国家を大切にする> 298
D・日本文化の特徴 299
<摂取、消化、発酵> 300
<「教会」は日本社会の夾雑物か> 311
<日本教と西欧教> 312
第八章・社会と共同体315
A・共同体 316
B・日本社会の二つの共同体 317
C・家族の共同体319
D・職場の共同体320
*生涯雇用と共同体
*生涯雇用の発生
*臨時雇用と共同体
<組み立てラインからの提案> 325
<生涯雇用の衰退> 327
<自動車の品質> 328
<社会の秩序> 329
E・共同体と価値体系 329
F・日本人と社交331
G・共同体と聖域333
H・習い事の半共同体(師弟関係) 333
I・教会も一つの共同体 335
第九章・二つの共同体からの脱出 337
A・寅さんシリーズ 338
B・日本美術の特質 338
C・孤独の創造 339
D・個人的孤独 342
E・「孤独の創造」のための共同体 344
第十章・日本の宗教 347
A・第一型・冠婚葬祭 347
<仏壇>348
<檀家制度> 350
<日本的な家族共同体> 351
B・第二型・御利益 352
C・第三型・求道 354
D・綜合型宗教 356
<創価学会> 358
第十一章・アメリカ社会と共同体 361
A・共同体の欠如 362
B・共同体の欠如を補う……個人的なもの 363
<パーティ> 364
C・共同体の欠如を補う……制度的なもの366
<クラブ> 366
<秘密結社(ロッジ)> 367
<教会>368
<ロサンゼルスの東本願寺仏教教会>372
<日蓮宗ハワイ別院> 373
<アメリカ型教会の移植> 375
第十二章・蓮如の宗教運動377
A・念仏信仰377
<源信> 377
<法然> 380
<親鸞> 381
<蓮如> 381
B・蓮如の道場 382
C・蓮如道場の意味するもの384
D・日蓮 385
<鎌倉仏教> 387
第十三章・日本のキリスト教会の現状389
A・無教会主義型 391
B・西欧化の先駆者型397
<政教分離> 397
*擬似「政教分離」 <国旗・国歌問題> 408
<日本評価の基準> 408
<アメリカの実情> 411
<フラー流の手法> 418
C・「学習のための集団」型 420
<稽古ごとの集団> 421
*武芸
<芸能者の集団>429
*相撲
<祖師を中心とする僧集団> 434
*牧師と祖師
*学習集団と教会の類似 <恩師と弟子の懐古集団> 443
第十四章・提言、日本的教会 444
A・「先生」と「教会」 444
<先生という呼称> 444
<教会という名称> 457
B・教派問題 458
C・教会員制度、教籍の問題 462
D・祖先祭儀・葬送儀礼 464
E・キリスト教の真理性の主張 466
F・他宗教に対する敬意 468
G・礼拝音楽、讃美 471
<礼拝音楽全般>471
<民衆の讃美>473
H・教会の役職について 484
<各個教会> 484
<教派レベル> 485
<女性の伝道者> 485
I・説教について 486
<自己観照> 489
<ヘブル語の重要性>491
<使用聖書> 492
J・賜物 493
K・家の教会 495
L・教会内の団体 497
M・教会の入り口 499
N・入信の決心 500
おわりに 505
<ローマ・カトリック教会の宣教論について> 505
<日本の将来> 505
<小生のものの見方について> 510
<あとがき> 513
著者:後藤牧人
出版:イーグレープ
日本宣教論