(中古)日本人の情感はどこからくるのか
※使用感も少なく帯も付いているのですが、本を重ねて置いていたようで、少し斜めに本自体が歪んでいます。表紙の特性上、シミなどが若干あります。
日本人・日本文化をめぐる様々な問いを立て、斬新なひらめきとダイナミックな推論により、日本的なものとはいかなるものか、それはどこからくるのか核心に迫る。日本人の特異な精神世界のルーツを求めて展開されるエッセイ集。
心の奥であなたを動かしているもの正体とは?
本書はいま、日本人に流れる精神の源流とは何か、日本人が日本人であるのはいかなる理由によるかを明快に説いた書である。
著者は世界に向けて日本の情報を発信しつづける国際日本文化研究センターの現職所長、山折哲雄氏。日本の宗教学・民俗学の権威である著者だけに、よくある平板な日本人論とは一線を画し、微細な感情をひとつ一つ丁寧にすくいあげていく筆致が鮮やかで、じつに楽しんで読める内容となっている。そのつねにも増したやわらかな語り口は、本書が氏が女子大で講義していた内容がベースになっているからでもある。
日本人にとっての「死」とは古来いかなるものか、キリスト教世界(十字の文化)と仏教世界(卍字の文化)の根本的な違いとは何か、日本人にとって「ピープル」とは国民か大衆か、それとも市民か……等々といった日本文化を考えるうえで重要なテーマについて、宇多田ヒカルや浜崎あゆみの歌の詩を引用したり、『ゴルゴ13』からヒントを得たり、人肉食(カンニバリズム)に臓器移植の情景を重ね合わせたりといったさまざまな角度からの多彩なエピソードをちりばめつつ、目から鱗の興味深い論を展開していく。
とりわけ日本人の特異な精神を育んできた神と仏の混淆する世界観や、西欧の王権とは正反対の趣をもつ神秘的な天皇制についての議論などは、「自らは何者か」という問いを考えたことがあるすべての日本人の興味に訴えるものだろう。
幅広く野心的な批評活動で世論を湧かせつづける著者の、興味つきない刺激的な一冊である。
著者:山折 哲雄
出版:草思社(2003/5/2)
(中古)日本人の情感はどこからくるのか