ファンドレイジングの霊性 寄付を募るということ
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◎寄付を募る課題を、霊性の角度から考えることはめったにありません。霊的働きを支援する必要があるにしても、どちらかと言えばあまり心地よい活動ではないと考える人もいるかもしれません。
◎そして多くの場合、それは危機への対応として実行されます。「必要なお金が足りません。寄付を集めなければなりません」と。そうなって初めて、そのようなことに自分たちが慣れていないと気づくのです。
◎ナウエンが語るファンドレイジングに対するヴィジョンは、実体験からもたらされたものです。そして彼はこう言います。「寄付を募ることは、説教を語ったり、祈る時間を取ったり、病人を見舞ったり、飢えた人に食事を提供したりするのと同じく霊的な事柄です。ファンドレイジングは第一の、なによりも重要なミニストリーの一つです」。
ナウエンが語るファンドレイジングに対するヴィジョンは、彼が寄付を求められたり、あるいは、さまざまな寄付をしてきた実体験からもたらされたものです。私たちの多くが感じるのは、寄付を募ることは、「奉仕活動を支えるために必要不可欠な、しかしあまりうれしくない活動」です。
しかし、寄付についてのナウエンのヴィジョンは、こうした個人的なものから徐々に普遍的なものへと広がっていきました。そしてこの活動について、さらに広く、さらに深く、ついには確信を持ってこう言えるまでの理解にたどりつきました。
「寄付を募ることは、説教を語ったり、祈る時間を取ったり、病人を見舞ったり、飢えた人に食事を提供したりするのと同じく霊的な事柄です!」「ファンドレイジングは第一の、何よりも重要なミニストリーの一つです」
本書に収められた短い講演には、ナウエンの燃えるような心と情熱が現れています。寄付を募るというミニストリーを、自分たちに与えられたとミッションと一体のものとして受け止め、それに生きようとする人に新しい「メガネ」を提供します。
【目次】
はじめに――スー・モステラーCSJ
感謝の言葉――ジョン・S・モガブガブ
ミニストリーとしてのファンドレイジング
神の王国が現れるのを助ける
私たちの安全の土台
富んでいる人たち
寄付を募るということ
新しい交わり
祈りと感謝
御国が来ますように
著者:ヘンリ・ナウエン
オランダ生まれ。カトリック司祭。世界的に認められたキリスト教霊性についての作家。ノートルダム大学、エール大学、ハーバード大学で教えたのち、ラルシュ・コミュニティの牧者として、知的障がいを負った人々と生活を共にする。邦訳書:『イエスの御名で』『いま、ここに生きる』『愛されている者の生活』『放蕩息子の帰郷』『嘆きは踊りに変わる』(以上あめんどう他多数)。
塚本良樹:訳
発売/発行年月: 2025年4月
判型: 四六
ページ数: 88
出版社: あめんどう
ファンドレイジングの霊性 寄付を募るということ