増補 古典としての旧約聖書
史上最も読まれ、最も謎に満ちた書物
その魅力を第一人者が語る珠玉の講演集、大幅増補
旧約聖書とはいかなる書物か。複雑で多層的な構造をもつその内容を、様々な角度から読み解く珠玉の講演集。文庫化にあたり5本もの講演を大幅増補。
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旧約聖書とはいかなる書物なのか。古代ユダヤの人びとはそこに何を読み込み、何を託してきたのか。本書は、半世紀にわたって旧約聖書と取り組み、古代オリエント学者としても豊かな学識をあわせもつ著者が、複雑で多層的な性格をもつ旧約聖書をさまざまな角度から読み解いていく珠玉の講演集である。文庫化にあたっては、定評ある旧版に、物語構造論の観点から聖書を分析する「旧約聖書における物語文学の構造と主題」など、5本の講演を大幅増補。その言葉は今を生きる私たちに何を投げかけるのか。旧約聖書の魅力を、第一人者が余すところなく語りつくす。
【目次】
古典としての旧約聖書
原初史の主題
旧約聖書の歴史記述と歴史観
人はひとりではない――旧約聖書にみる愛の倫理
旧約聖書にみる苦難の理解
歴史と信仰――預言者ホセアに学ぶ
主はわが牧者――ヤコブの生涯に学ぶ
旧約聖書と現代――一神教は暴力的か
古代文学にみる友情
旧約聖書における物語文学の構造と主題
著者:月本 昭男(つきもと・あきお)
1948年、長野県生まれ。東京大学文学部卒業。同大学大学院人文科学研究科中退。ドイツ・テュービンゲン大学修了(Dr. Phil.)。立教大学キリスト教学科教授、上智大学神学部特任教授、古代オリエント博物館館長などを歴任。立教大学名誉教授・上智大学名誉教授。経堂聖書会所属。専門は旧約聖書学、古代オリエント学。著書に『詩篇の思想と信仰』(シリーズ全6巻)、『古代メソポタミアの神話と儀礼』、『物語としての旧約聖書』などが、原典翻訳に『ギルガメシュ叙事詩』、『創世記』などがある。
出版社 : 筑摩書房 (2025/3/12)
増補 古典としての旧約聖書