福音宣教 2024年8・9月号
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キリストを伝えるカトリック月刊誌
『福音宣教』は現代の日本において福音宣教を進めていくための、さまざまな課題に取り組んでいる月刊誌です。諸宗教・諸教派、また異文化の間での対話を心がけながら、読者の皆さまとともに本音で語る、今日的な信仰のあり方を探っています。
巻頭特別企画(2)
◆チーム・ミニストリー実践者座談会 第4回 共同宣教司牧失敗談(2)――人に聴き、私に響いたこと
フォーラム
◆インタビュー 菊地 功 東京大司教――変わる教皇庁(アド・リミナ・レポート 編集部
アドリミナに合計三回行かれた菊地功東京大司教に、過去のアドリミナとの違いについてお話を伺いしました。バチカン側が指導する以前のあり方とは異なり、傾聴的な態度を基本とし、多くの各省庁で「日本の様子を聞かせてください」「サポートするからできることがあれば何でも言ってください」言われたとのことです。バチカンの職員も一般信徒が増えるなど、大きな変化が感じられます。
◆インタビュー 山田真人さん――社会での善に目覚める教育、機会の持続を! 編集部
ビジネスの手法でチャリティーを行うNPO法人聖母を立ち上げ、アタカ通商でマラウイコーヒーを寄付してもらったことを契機に、それを日本で販売し始め、現地からの雇用を創出したり、幼稚園の設立に奔走したりしているチャリティーモデルの紹介。この活動は同時に、カトリック学校の教育や課外活動などにも活かされており、その射程の広さに驚かされます。
月間テーマ 戦争をいかに防ぐか
◆正しい戦争はあるか――中世以来のカトリック正戦論の答え ハンス・ユーゲン・マルクス(神言修道会会員、南山大学学長を経て2024年まで藤女子大学学長)
現代に至るまでの歴史を見ていくと、カトリックの伝統的ないわゆる「正戦論」は、戦争を起こすための条件をいかに厳しくしていったかの歴史であることが述べられています。避けがたい戦争の被害をいかに減らしていくかが焦点になっています。
◆平和論の再構築 川本 兼(思想家、上智人間学会会員)
これまで日本は平和憲法をてこに平和運動を行ってきましたが、「戦争ができる正義の国」を標榜する勢力が解釈改憲を行い、戦争ができるようにしてしまったと指摘します。戦後の国民の感覚を踏まえ、人権概念を中心にした普遍的に再構築された平和論を提案します。
連 載
◆風よ! 炎よ! 私にことばを! 33 計画をたてて司牧する、ということ(本誌企画委員)
◆京・江戸・博多、そして巴里 30 聖ヴィアトール修道会 南野 森(憲法学者)
◆預言者と現代――私たちは旧約預言者とどう向き合うべきか
第8回 神殿再建と預言者ゼカリヤ――わたしは見た 北 博(聖書学者)
◆美しい日本の所作――典礼の文化内化のために 8 黙示録のシンボル フランコ・ソットコルノラ(聖ザベリオ宣教会司祭)
◆信仰を養う主日の福音 9 B年 年間第18主日〜年間第26主日 雨宮 慧(東京教区司祭)
◆私とイエスの出会い 第19回 主は1人、信仰は1つ 栗山昌子(東京教区麹町教会信徒)
◆ヘブライの言葉、イスラエルの物語 第19回 「ネフェシュ」という生きた証し 高橋洋成(セム語〈ヘブライ語〉学者)
オリエンス宗教研究所 発行
福音宣教 2024年8・9月号