滝沢克己の現在
没後40年記念論集
「純粋神人学」とは何か。
滝沢が最晩年に欧州の神学界に問おうとした思想は、没後40年を経て今なお読む者を魅了し挑発し続ける。それに応答した14名の渾身の論考を収録する。
滝沢克己(たきざわ・かつみ)
1909−1984年。一高から東京帝大法学部に進んだが直ちに退学。九州帝国大学哲学科に転ず。卒業後、ボン大学でカール・バルトに師事。山口高等商業教授を経て九州大学教授となる。大学闘争では全共闘を支持して辞職。独自のインマヌエル思想を唱え、その影響は「滝沢神学」として国内はもとより海外にも及んだ。
【目次より】
第一部 純粋神人学の可能性の現在
1 実践神人としての中村哲 佐藤 誠
2 滝沢神学の救済論的な可能性に関して 金 珍熙
3 危機にひらかれる自由の在処――滝沢克己のドストエフスキー論 石井砂母亜
4 私の所有を超えて――根源的私的所有批判としての滝沢哲学 鈴木一典
5 滝沢克己における「キリスト教と日本人」 水田 信
第二部 純粋神人学と神学の葛藤の現在
6 滝沢克己とカール・バルトの接点と相違点について 牧村元太郎
7 啓示の光の射程――啓示論をめぐる滝沢克己とカール・バルト 寺園喜基
8 間宗教的解釈学としてのバルト受容 S・ヘネッケ
9 滝沢神学における原型(Urbild)と模範(Vorbild)
――イエス・キリストのペルソナの分析における対概念 芝田豊彦
第三部 純粋神人学と哲学の現在
10 哲学との一つの真正な出会い方 黒田昭信
11 戦前の西田哲学批判の背景 前田 保
12 日本哲学史における滝沢克己の位置づけ 白井雅人
第四部 滝沢克己のインパクトの現在
13 九大反戦と滝沢思想――ファントムプレシンポに寄せて 堀内隆治
14 わからなさへの定位――最首悟と滝沢克己 丹波博紀
滝沢克己協会編
サイズ:四六判 358ページ
発行年月:2024/05/16
出版:新教出版社
滝沢克己の現在
没後40年記念論集