病と老いと死、とその後の「いのち」

  • 病と老いと死、とその後の「いのち」
故森一弘司教が、真生会館での日曜講座シリーズで話された原稿を編集してまとめたものです。
タイトルにあるように「いのち」と「死」を中心にした6項目の講話を通して、死から目をそらした文明の中で生きているわたしたちに問いかけます。
終末とは、聖霊とは、死を突き抜ける光、希望とは……。

東京の新宿区にある、カトリック系の真生会館で行われた6つの講話シリーズを単行本化。各シリーズのテーマは、「いのち」、「死を想う」、「大きな力に操られず、流されずに、自分らしく生きるために」、「わたしたちの生の営みから喜びや希望を奪い取ってしまう闇」、「キリスト教が理解する終末」(伝統的な教義の終末論と別視点で)、そして最後のテーマは「聖霊」。「いのち」を危機にさらす、現代のさまざまな問題・深い闇を、ときに具体例も挙げて鋭く指摘。オンリーワンとしての一人ひとりが、存在レベルで望む、究極で共通のことも述べる。その願望が満たされないことが、諸問題・闇と深い関係にあることも説く。

【内容】

危険にさらされている「いのち」についての考察

 1 「命」と「いのち」の違い

 2 「いのち」には設計者がいる

 3 生きているものは、すべてオンリーワン

 4 オンリーワンとしての「いのち」を脅かすもの

死のかなたに何があるのか、虚無か、いのちの輝きか

 1 社会の営みから神が消え去ってしまった?

 2 死を自分の人生に取り込んでしまう人々

 3 なぜ、死を選び、決断するのか

大きな力に操られず、流されずに、自分らしく生きるために

 1 「流される」のメカニズム

 2 「操られる」のメカニズム

 3 操られてしまう(しまった)人々

 4 キリストの生き様

キリストの十字架を見つめて、闇の中に光を見出していくために――闇は、人生の一部、旅の道連れ

 1 闇の冷酷さ、残酷さ

 2 人間としての根底を揺さぶる闇

 3 人間の幸せへの歩みを妨げ、深い闇を与えるものは……

病と老いと死、とその後の「いのち」――キリスト教が理解する終末 ――カトリック教会の伝統の中での終末の受け取り方

 1 死についての考察

聖霊について

 1 「霊」について理解することの難しさ

 2 聖書の世界の「ルーアッハ」の意味とその宗教的発展


もくじ

まえがき

危険にさらされている「いのち」についての考察
死のかなたに何があるのか、虚無か、いのちの輝きか
大きな力に操られず、流されずに、自分らしく生きるために
キリストの十字架を見つめて 闇の中に光を見いだしていくために―闇は、人生の一部、旅の道連れ
病と老いと死、とその後の「いのち」―キリスト教が理解する終末
聖霊について


著者紹介

森 一弘(もり かずひろ)
1938年 横浜に生まれる。
1967年 ローマにて司祭叙階。
1985年 司教に叙階。
2000年までカトリック東京大司教区補佐司教として務める。
その後は2021年6月30日まで真生会館の理事長を務め、講演、執筆、黙想指導などに力を注ぐ。
2023年9月2日帰天。

主な著書に、『人はみな、オンリーワン』『あなたにとって神とは?』『世界と日本と民主主義のありようを考える』『これからの日本のゆくえ』『これからの教会のありようを考える』(女子パウロ会)、『教皇フランシスコ―教会の変革と現代世界への挑戦―』(サンパウロ)、『「今を生きる」そのために』(扶桑社)他多数。

出版社: 女子パウロ会

発売/発行年月: 2024年3月
判型: B6
ページ数: 196

病と老いと死、とその後の「いのち」

1,540円(本体1,400円、税140円)

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