証言・満州キリスト教開拓村 国策移民迎合の果てに
かつて日本の生命線と言われた満州国。その傀儡国家に、国策として多数の農業開拓団が送り込まれた。現地人の土地を取り上げ、各地に日本人村を作っていったのだ。その中にキリスト教開拓団があった。敗戦と共に悲惨な最後を迎えた団員の貴重な証言集。
はじめに──満州移民の現代的意味
序章 戦後、忘却された〈疚しさ〉
第一節 忘却に抗う
第二節 満州領有への野望
第一章 なぜ開拓村は襲われたのか
第一節 現地住民の悲惨史
第二節 満州国の終焉
第三節 「民族協和」の幻想
第四節 国家の方策に抗う
第二章 海外移民と満鉄時代
第一節 満鉄と農業
第二節 農業スペシャリストの引き抜き
第三節 「革命か、社会改良か?」
第三章 移民と「満州国」建国
第一節 アメリカの移民制限の影響
第二節 東アジアに新国家出現
第四章 「移民」から「開拓団」へ
第一節 日中戦争の開始
第二節 巨星・賀川豊彦の渡満
第五章 キリスト教開拓団
第一節 第一次キリスト教開拓村・長嶺子基督教開拓団
証言1 陳丕林
証言2 小川善一
証言3 岸本正義
証言4 中川芳郎
証言5 横坂勝夫牧師
証言6 橋本武雄について
証言7 藤本宮江
証言8 藤善音
証言9 坂井嘉之について
証言10 炭本洽和雄・孝介兄弟について
証言11 小梨信雄(団員の子ども)
証言12 榎本和子(十代後半)
第二節 第二次キリスト教開拓村・南緑ケ丘基督教開拓団
終章 「大陸への移民史」の終焉
第一節 溥儀・廃帝──弊履の如くに
第二節 内モンゴルに入植した東京の「ルンペン移民」たちの場合
第三節 「開拓の花嫁」の記憶・語れなかった者たちのために
あとがきにかえて──日本の半分しか知らない現代日本人
【著者紹介】
石浜みかる(いしはま・みかる)
1941年、神戸に生まれる。作家。神戸女学院大学英文科卒、在学中の1963年から1年間イスラエル留学。卒業後、出版社勤務、市民活動(不登校・引き込もり青少年サポート)などのかたわら、ノンフィクションを中心に執筆活動を続ける。
出版年月日 2024/01/25
ISBN 9784818411548
判型・ページ数 A5・240ページ
日本キリスト教団出版局
証言・満州キリスト教開拓村 国策移民迎合の果てに