ぐうたら神父の山日誌
聖書では、山は神に出会う場所とされています。
自らを振り返ってみても、山を麓から眺めたり山奥に分け入ったりした際に、神の存在を実感したことが確かにあります。
山の頂で風に吹かれながら、聖霊の導きを感じることもありました。
谷を越えた尾根の向こうから、あるいは稜線にかかる雲や霧の中から、イエスの声がこだまのように響くのを
幾度か耳にしてきたように思います。――はじめに
著者が登山の楽しさを知った中学時代から、大学生、社会人を経て、カトリック司祭になっても続く登山歴。
その中から国内外の17名山を、軽妙な語り口で紹介します。
後半はイスラエル巡礼記でもあり、イエスの生涯を聖なる山や丘でたどる著者とともに、聖地に思いを巡らすこともできます。
新約聖書の引用箇所とさりげない解説も記され、登山にも、キリスト教になじみの少ない方も親しみやすい一冊です。
各山やその周囲の景観、思いがけない貴重な出会い……。
一人の司祭のハプニングあり、楽しい思い出ありの、キリスト教信仰体験記です。
もくじ
はじめに
富士山 一度も登らぬ馬鹿、二度登る馬鹿
丹沢 ドイツから来た天狗
槍ヶ岳 わが青春に悔いあり
御岳山 招きの声
入笠山 野外ミサに聖霊の風が吹く
鬼怒沼山 露天風呂と洗礼
マッターホルン 三位一体をこの目で見た
吾妻山 指ロザリオ物語
クロー・パトリック アイルランドの守護聖人は厳しい
蒼山 老司祭はロバに乗ってチベットへ
スケリッグ・マイケル ケルト魂が宿る孤島の修道院
マチャプチャレ ネパールに大木神父を訪ねて
シナイ山 圧倒的な拒絶感
祝福の山 ガリラヤの風かおる丘で
タボル山 カラスに教わったこと
オリーブ山 バスの窓から
ゴルゴタの丘 先にいる者が後になる
おわりに
著者:伊藤 淳(いとう あつし)
1961年神戸生まれ。横浜育ち。
ひまわり幼稚園、東戸塚小学校、栄光学園中学高等学校、一橋大学、日本カトリック神学院卒。
一般企業社員、カトリック学校教諭、無職を経て、2010年よりカトリック東京教区司祭。
出版:女子パウロ会
2023年5月
判型: 四六
ページ数: 256
ぐうたら神父の山日誌