津和野 乙女峠37人の「証し人」
島根の浦和野に流配された37人の「証し人」の紹介と、彼らの具体的な信仰の証しを特筆。
1867年、長崎の浦上町で、仏式の埋葬を拒否して檀那との関係を断つ申し立てを機に始まった、キリシタンへの近代の迫害。
明治の新政府下でも迫害は続き、浦上の総村民三千人以上が22の地へ流配された。
その一つ、島根の浦和野の乙女峠には、過酷な拷問にも屈せず、信仰を守って命をささげた信徒たちがいた。
本書では、日本のキリスト教会宣教の歴史概説も加え、流配に至る、宗教・外交を含めた政治的背景や要因も解説。
浦和野での状況(人数、移送の経緯、収容施設、労作業、衣食、処遇、政府の指示、教会からの励まし等)や、
死に至るまでの具体的な信仰の証しを特筆する。
もくじ
発行にあたって
はじめに
なぜ、浦和野だけを取り扱うのか
潜伏時代のキリシタン
キリシタン時代のはじまり / キリシタン潜伏時代へ / 潜伏キリシタンの信仰生活
信徒発見から浦和野への旅立ちまで
信徒発見 / 浦上四番崩れ / 流配と流配地浦和野での状況
37人各自の死のいきさつ
「証し人」たちの横顔 / 「証し人」たちの真実の姿
帰郷とその後
帰郷実現の実情 / 「証し人」に対する声望―結びにかえて―
著者:筒井 砂(つつい すな)
元上智大学職員。
カトリック広島教区列聖委員会委員。
訳書にヴァリニャーノ『日本イエズス会士礼法指針』、トルチヴィア『ジョヴァンニ・バッティスタ・シドティ』
(いずれも共訳)などがある。
監修:片岡 瑠美子(かたおか るみこ)
純心聖母会会員。長崎純心大学長。
教会史学博士(グレゴリアナ大学)。カトリック教会史、特に日本教会史(キリシタン史)専攻。
著書に『キリシタン時代の女子修道会―みやこの比丘尼たち』、『日本司教ルイス・セルケイラの生涯と司牧1598-1614』他がある。
128頁 /B6判 並製(ソフトカバー)
女子パウロ会 発行
津和野 乙女峠37人の「証し人」