自我の構図 (小学館文庫)

  • 自我の構図 (小学館文庫)
人は人を真に愛することができるのか――。

高校教師の南慎一郎は、妻子がありながら、同僚である藤島の妻・美枝子に心惹かれている。美術教師の藤島から手ほどきを受け、美枝子をモデルに描いた絵が日展初出品にもかかわらず協会賞を受賞。同時に美枝子を描いていた藤島の絵は落選となっていた。それから一年、一緒に出かけた峡谷で藤島が謎の死を遂げる。不慮の事故か、他殺が、自殺か。その死に関して嫌疑をかけられる慎一郎。やがて、美枝子、慎一郎の妻・由紀、姪の雅子らを含めたそれぞれの人生が絡み合い、思わぬ方向へと動き出していく。
藤島はなぜ死ななければならなかったのか。果たして、人は人を真に愛することができるのか。嫉妬、疑念、罪、欲、エゴイズム。良識を持って誠実に生きているような者の内にも巣くう不条理さや身勝手さ。人間の本質を鋭く浮かび上がらせた問題作。

著者について
●三浦綾子 みうらあやこ●
1922年北海道旭川市生まれ。64年朝日新聞社の懸賞小説に『氷点』が入選。国民的ベストセラーに。人間の愛、祈り、原罪をテーマに書き続ける。99年77歳で逝去。

出版:小学館

自我の構図 (小学館文庫)

803円(本体730円、税73円)

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