愛の思想史 愛の類型と秩序の思想史

  • 愛の思想史
愛の類型と秩序の思想史
日本では「愛」を性的関係に限定しがちであるが,ヨーロッパでは,「愛」とは生活に意味と充実を与え,人間関係の全領域を満たす多様な働きとして捉えられてきた。
第1部ではヨーロッパ文化の源流まで遡り,ホメロスやプラトン,アリストテレス,キケロなどによるエロース,フィリア(友愛)の受容,キリスト教におけるアガペーやカリタスへの発展,さらに自己犠牲的な愛が女性への献身に変化していく宮廷的恋愛,ダンテ,ペトラルカやゲーテに見られる自己の内面を幻想化するロマンティックな愛,そしてフロイトの自然主義的愛など,愛を6つの類型として捉え,その歴史的変遷を解明する。
第2部ではプラトンが善を目ざす運動とみなした秩序に端を発し,アウグスティヌスにおいて結実した「愛の秩序」を分析,その概念がパスカルをへて現代人間学の創始者M。シェーラーに及び,ヨーロッパの人間と社会の秩序形成に決定的な影響を与えたことを明らかにする。
「愛の思想」は,今日の福祉・平和・環境・生命など国や民族を超えた問題に応える豊かな可能性を示唆しよう。


金子 晴勇 著
出版:知泉書館

愛の思想史 愛の類型と秩序の思想史

4,180円(本体3,800円、税380円)

購入数

カテゴリーで選ぶ