現代聖書注解 レビ記
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現代の教会にとってなじみのない犠牲や儀式的不浄の規定に大部を割く「レビ記」。本書は、それらの規定の背後にあり、儀式によって演じられ実体化する世界観─神が創造した「極めて良い」世界と、その秩序を人間が遵守し、維持していくこと─を発見していく。
【目次】
刊行のことば/著者まえがき/凡例
序 論
儀式的テキストの読解と適用
「イスラエルの民に語る」
レビ記と、礼拝に関するトーラーのヴィジョン
第一部 犠牲の献納物
レビ記1−7章
1:1−17 焼き尽くす献げ物
導入(1:1−2)
「牛を焼き尽くす献げ物とする場合」(1:3−9)
「羊または山羊を献げ物とする場合」(1:10−13)
「鳥を焼き尽くす献げ物としてささげる場合」(1:14−17)
神学的考察
2:1−16 穀物の献げ物
調理されていない小麦(2:1−3)
調理された小麦(2:4−10)
特別な指示(2:11−13)
加工していない麦(2:14−16)
3:1−17 和解の献げ物
「牛を献げ物とするとき」(3:1−5)
「羊、山羊の群れから献げ物とする場合」(3:6−16a)
「脂肪はすべて主のものである」(3:16b−17)
随意の献げ物についてのさらなる考察
4:1−5:13 贖罪の献げ物
導入(4:1−2)
罪を犯したのが油注がれた祭司の場合(4:3−12)
「イスラエルの共同体全体が、
意図的ではない過ちを犯した場合」(4:13−21)
「代表者」もしくは「一般の人のだれか」が
罪を犯した場合(4:22−35)
特別な事例と特別な譲歩(5:1−13)
5:14−6:7(MT 5:14−26) 賠償の献げ物
「主の聖なるもの」への侵害(5:14−19)
他の人間への侵害(6:1−7[MT 5:20−26])
罪の重荷、赦しの希望、そして儀式の賜物
6:8−7:38(MT 6:1−7:38) 犠牲に関するさらなる指示
第二部 任職式、聖なる礼拝、そして聖ではない振る舞い
レビ記8−10章
8:1−36 アロンとその子らの任職
用具と人を集める(8:1−5)
任職式(8:6−30)
最後の指示(8:31−36)
9:1−24 八日目:聖なる礼拝
10:1−20 八日目:聖ではない振る舞い
祭司の違法行為(10:1−7)
祭司のための指示(10:8−11)
祭司の違法行為と解決(10:12−20)
第三部 清浄と不浄についての指示
レビ記11−15章
11:1−47 清い動物、汚れた動物
清い動物と汚れた動物の分類(11:2−23, 41−45)
清めの儀式的手順(11:24−40)
これらの指示の目的(11:46−47)
12:1−8 出産の不浄
13−14章 皮膚病の不浄
最初のスピーチ:皮膚病と関連する事柄(13:1−59)
第二のスピーチ:皮膚病から回復した人のための儀式(14:1−32)
第三のスピーチ:汚れた家のための清めの儀式(14:33−53)
さらなる考察:「あなたはわたしの僕ヨブに気づいたか」
15:1−33 性器からの漏出の汚れ
男性の漏出(15:1−17)
性交(15:18)
女性の漏出(15:19−30)
結論的声明(15:31−33)
第四部 贖罪日
レビ記16:1−34
予め与えられる警告(16:1−2)と準備(16:3−10)
儀式の本体(16:11−28)
儀礼を規則正しいものに公式化する指示(16:29−34a)
「不変の定め」ユダヤ人とクリスチャンのための?
第五部 神聖法集
レビ記17−27章
17:1−16 屠畜と肉の摂取
最初の三つの禁止(17:1−9)
中心的禁止:「あなたたちのうちだれであれ、
血を食べてはならない」(17:10−12)
二つの肯定的な戒め(17:13−16)
18:1−20:27 「あなたたちは聖なる者となりなさい。
あなたたちの神、主であるわたしは聖なる者である」
枠をなす勧告(18:1−5, 24−40, 20:7−18, 22−26)
枠組みとなっている禁止(18:6−23, 20:2−21, 27)
聖性への主要な呼び出し(19:1−36)
21:1−22:23 聖なる者となりなさい
わたしYHWHは、あなたたちを聖なる者にするからである
喪と婚姻に関する祭司への指示(21:1−9及び21:10−16)
障害のある者の不適格性に関する指示(21:16−24)
聖なる食物を食べることに関する指示(22:1−9及び22:10−16)
傷のある犠牲の動物に関する指示(22:17−33)
23:1−44 聖なる暦
導入:安息日(23:1−3)
春の祝日(23:4−22)
秋の祝日(23:23−43)
聖なる時に関するさらなる考察
24:1−23 油、パン、そして冒瀆
油とパン(24:1−9)
冒瀆の一つの事例(24:10−23)
25:1−26:46 安息の年、ヨベル、そして祝福と呪い
「土地の受け戻し」のための安息の周期と備え(25:1−24)
ヨベルの保証と受け戻し(25:25−55)
「わたしの安息日を守りなさい」(26:1−2)
祝福と呪い(26:3−39)
「だが、もし彼らがその罪を告白するなら」(26:40−46)
全員のための解放と正義に関する安息のヴィジョン
27:1−34 誓い、聖別してささげること、
そして神への別の「贈り物」
人間と動物の誓約(27:1−13)
家屋と畑を聖別してささげること(27:14−25)
誓いと聖別してささげることに関する制限条項(27:26−34)
最後の言葉
参考文献/訳者あとがき
S.E.バレンタイン:著
山森 みか:訳
A5判 上製 362ページ
出版社: 日本キリスト教団出版局
現代聖書注解 レビ記