聖霊の神学
聖霊は、個と共同体を生かす力である―。
聖書に証言される「神の霊」の体験を原点とする「現実主義神学」の立場から、聖霊の働きの豊かな多面性を明らかにし、現代世界における新たな共同の生のあり方を探る。
ドイツ神学界の次世代を担う神学者ヴェルカーによるベストセラーの翻訳。
[目次]
日本語版への序文
まえがき
序論 神の霊──現代世界の経験の問題?(神の霊と神の遠さの現代的意識/神の霊と世界規模の聖霊主義的運動/神の霊と解放の神学とフェミニスト神学の拡大 ほか)
第一部 初期の不明瞭な霊の威力の諸経験(集団的窮境と罪からの救いに際して──連帯性と共同的な行為能力との回復。霊と突発的事態/持続する窮境の直中での問題をはらんだ庇護──霊と伝説的統合人物 ほか)
第二部 約束された義と平和の霊(法と道徳を越えて──メシアへの霊の宿りと正しい法、憐れみ、神認識の普遍的広まり/政治的忠誠獲得を越えて──メシアは「通りで叫ばない」。公的に無力な苦しむ者の権威 ほか)
第三部 イエス・キリストと霊の具体的原臨(信仰と希望の集中──キリストの公的任命/個人的な無力の中での助け──悪霊祓いと逃げ道のないしがらみからの解放 ほか)
第四部 霊の降り注ぎ──その解放し、世を克服する働き(ペンテコステの奇跡と霊の洗礼──引き裂かれた世界が癒され始める/公の力の場としての信仰と希望──神と神の現臨のうちにある生が知られる ほか)
第五部 聖霊の公的人格──創造の直中での神(霊の自己関係的な自己確立と無私性──支配的な形而上学的霊(精神)概念(アリストテレスとヘーゲル)の超克/キリストの霊と、自らにとって脅威となった世界の中での聖徒の共同体 ほか)
出版:教文館
著者:M・ヴェルカー
訳者:片柳榮一・大石祐一
2007年4月
聖霊の神学