イエス時代の日常生活
フルカラーですから、これを見れば聖書の世界が広がります。聖書を読んで立体的に理解できるようになること間違いなし!
著者のミリアム・ファインバーグ・ヴァモシュ女史は、初心者にもなじみやすい形で本書を著わそうと努力された。そのような苦心の跡が随所に見られる。イエスが語られたメッセージを理解するためには、当時の文化的な背景を知っておく必要がある。イエス時代と現代との間には、約2000年のへだたりがある。著者は、本書を通して、その時間的、文化的へだたりに橋を架けようとしている。
さて、本書の読み方であるが、辞典や図鑑と同じように、基本的にはどこから読んでも構わないようになっている。最初の章『覇権をめぐる争い』は、歴史の流れを扱った十数ページにも達する長い章である。また、内容的にも非常に複雑である。この章は、必ずしも最初に読む必要は無い。むしろ、何度も繰り返し読むつもりで、気軽に取り組んだ方がよいのかもしれない。
それ以降の章は、聖書に登場する重要な人物たちとその日常生活を、できるだけ自然な形で紹介してくれている。著者は、以下のような手順で本書を書いている。
(1) まず、マクロ的視点(大きな視点)からの説明がある。イエス時代の町や村が紹介される。
(2) 次に、ミクロ的視点(小さな視点)からの説明に進む。読者の皆様は著者の案内で、町の通りから家の中、作業所、会堂、市場などへとはいっていくのを経験されるだろう。ガリラヤの領主とその妻にも出会える。また、巡礼者とともにエルサレムの神殿を訪問する機会も用意されている。エルサレムが、現実味をもってわたしたちに迫ってくるだろう。
著者:ミリアム・ファインバーグ・ヴァモシュ女史
訳者:中川健一
出版:ハーベストタイムミニストリーズ
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イエス時代の日常生活