灰の箴言 暴力、贖罪における苦しみ、救済の探求

  • 灰の箴言 暴力、贖罪における苦しみ、救済の探求
キリスト教における救済は、家族内暴力、子どもの性的虐待、人種差別、同性愛嫌悪、戦争の傷を沈黙させてきたのではないだろうか。フェミニスト神学による対話と探求。

目次
序章

第1部 レント―灰の季節
 第1章 炎を避けて―レベッカの物語
 第2章 喪失に取りつかれて―リタの物語

第2部 ペンテコステ―炎の季節
 第3章 ティアマトの涙―レベッカの物語
 第4章 わたしの手のなかの命―リタの物語

第3部 エピファニー―光の季節
 第5章 祝福されなかった子ども―レベッカの物語
 第6章 公現祭―リタの物語

最終章

参考文献

謝辞
訳者あとがき


「訳者あとがき」より
贖罪思想を一言で表すと、十字架上でのイエスの苦しみと死が人間にとっての救いである、という考えである。それがキリスト教の核心だと長年にわたり教会が教えてきたことである。だが、レベッカとリタは、伝統的な十字架理解を徹底的に批判した。単にその教えを批評するのではない。命を絶つことを願うほどのトラウマを抱え、それでも生きることを選ぶ過程で、そうせざるを得なかった十字架の神学の否定である。

著者プロフィール
リタ・ナカシマ・ブロック (リタ ナカシマ ブロック) (著)
1950年生まれ、神学博士、ボランティアズ・オブ・アメリカ副理事長、神学書の受賞作家。著書に、Journeys by Heart:Christology of Erotic Power. (Wipf & Stock Publishers, 2008 [1988].未邦訳); Soul Repair: Recovering from Moral Injury After War. Co-authored with Gabriella Lettini, (Beacon Press, 2013. 未邦訳).など。

レベッカ・アン・パーカー (レベッカ アン パーカー) (著)
1953年生まれ、神学博士、スター・キング神学校名誉教授。著書に、Saving Paradise: How Christianity Traded Love of This World for Crucifixion and Empire. co-authored with Rita Nakashima Brock, (Beacon Press, 2009.未邦訳); A House for Hope: The Promise of Progressive Religion for the 21st Century. Co-authored with John Buehrens, (Beacon Press, 2010.未邦訳).など。

福嶋 裕子 (フクシマ ユウコ) (訳)
主な業績に『ヒロインたちの聖書ものがたり:キリスト教は女性をどう語ってきたか』(単著、ヘウレーカ図書出版、2020年)、『3.11以降の世界と聖書:言葉の回復をめぐって』(共著、日本キリスト教団出版局、2016年)、ウォルター・ブルッゲマン著『叫び声は神に届いた:旧約聖書の祈り』(翻訳、日本キリスト教団出版局、2014年)など。

堀 真理子 (ホリ マリコ) (訳)
主な業績に『反逆者たちのアメリカ文化史』(単著、春風社、2019年)、『改訂を重ねる『ゴドーを待ちながら』』(単著、藤原書店、2017年、吉田秀和賞・演劇学会河竹賞奨励賞)、『ベケット巡礼』(単著、三省堂、2007年、青山学院大学学術褒章)など。

発行:松籟社
四六判 縦188mm 横128mm 厚さ26mm 重さ 450g 452ページ 並製

2025年4月

灰の箴言 暴力、贖罪における苦しみ、救済の探求

4,620円(本体4,200円、税420円)

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