岩井恭三・春見伝 四国・徳島の地方部にキリストの基盤を据えた 「聖書の通り」の愛に生きた伝道者

  • 岩井恭三・春見伝 四国・徳島の地方部にキリストの基盤を据えた 「聖書の通り」の愛に生きた伝道者
岩井恭三牧師は、四国は徳島県の、脇町キリスト教会の基盤を据えた人物です。終戦直後の混乱期、ものやカネはなくても「スイとした天国武士」のような生きざまを通し、また、イエス様の愛と聖霊の力で多くの人々を包み込み、イエス様を信じる信仰による救いへと導きました。往時の信徒たちは「自分が一番、先生から愛された」という思い出を抱いてるほどです。

戦後の福音派の歩みを語るに欠かせない人物の一人で、『日本キリスト教歴史人名事典』(教文館。キリシタンの時代から日本のキリスト教で影響を与えた人物約五千人を収録)にも名が刻まれています。

戦前は軍人で、敗戦時は中国で鉄道第一連隊長(中佐)でした。キリスト教敵視が軍の全般的な雰囲気であったにも関わらず信仰を明確にし、彼の下にある部隊は現地の人々への接し方が人道的であったことや、憲兵から伝道を止めるよう圧力をかけられたがかえって出世したなどの逸話も収録しています。そんな彼の生きざまの背景として、大正ロマン主義の時代に青春を送ったことに加え、祈りに応えたもう神への期待を持った信仰などを考察しています。

召天して50年間になります。当時の時代背景の中で考えなければ把握できない「器の大きな」痛快人物ですが、そういう人物の物語を、信仰の後輩たちが語り継ぐことの意義をも考察しています。それは、聖書の民がアブラハムやモーセ、ダビデやエリヤの物語を語り継いだのと同じように、「自分たちの信仰の先輩にこんな人物がいたのだ」という物語を先ずは楽しみ、励まされたい。そして、反面教師の部分も含めて参考にするのではないでしょうか。

物語と言っても、作り事という意味ではなく、雑誌記事のような意味あいです。

子育て、家庭教育という観点からも、恭三・春見の物語は興味深いものがあります。恭三夫妻は、子が六人。そのうち五人が牧師として活躍し、一人は信徒リーダーです。孫は二十一人ですが全員クリスチャンとなっています。その一人が現在、テレビ「ライフ・ライン」やラジオ「世の光」でメッセージを語っています。そのような信仰継承の秘訣をうかがうことができます。

物語は彼らの青春時代、大正ロマンの真っ盛りに、虚無主義で人生に白けていた一人の青年将校が、聖書の神を本気で信じ、その愛に生きている教会に出会い、感銘して求道し、イエス様を自らの救い主として信じるに至り、人生がすっかり変えられてしまったところから始まります。同棲相手はそんな連れ合いに「自分は棄てられる」と思ったが、自らも道を求めてイエス様に救われました。そしてこの二人が、その後の全生涯をかけて、イエス様の福音を宣べ伝え、神と隣人を愛し抜く人生を送ることになったのでした。

キリスト新聞、総動員伝道、放送伝道「世の光」といった超教派の動向にも敏感だった岩井牧師の生きざまは、福音派系諸教会の系譜の中で、見落とすことのできないユニークな軌跡を残す一つの類型のように思われます。ぜひ手に取って、お読みになってください。

目 次

大正時代のロマン主義的青春
鮮やかな回心――「聖書通り」の生き方に
『真帆を上げて』という本の秘密
恭三という物語に巻き込まれている
屁理屈の恭ちゃんから信仰の人物へ
軍人時代二十五年――中国で守られて生きた
国や軍をも相対視できたのでは
春見の奮闘――単身赴任の家庭を守る
終戦後、脇町での開拓伝道
脇町初期の求道者たち
恭三の最期――大きな牴搬沖瓩飽Δ気譴覆ら

新書サイズ 40ページ

著者:三浦三千春
出版:あだむ書房

2021/08/28 初版発行

岩井恭三・春見伝 四国・徳島の地方部にキリストの基盤を据えた 「聖書の通り」の愛に生きた伝道者

550円(本体500円、税50円)

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