グノーシスの神話 (講談社学術文庫)

  • グノーシスの神話 (講談社学術文庫)
1世紀から3世紀ころの地中海世界に誕生し、「古代キリスト教最大の異端思想」ともいわれる「グノーシス主義」が生み出した神話の主要なものを編成・紹介する。
グノーシス主義は、古代末期から近代にいたるまで、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教といった世界宗教や、神学、哲学、神秘主義思想、科学史といった領域において、「裏の文化」として連綿と影響を及ぼし続けた。また、近現代の世界文学、深層心理学、現代哲学や表象文化のなかにも、その影響は見て取ることができる。
にもかかわらず、日本では、グノーシス主義が生み出した本文そのものをまとまった形で紹介した書物は少ない。本書は、1945年にエジプトで発見されて宗教界にセンセーションを起こしたグノーシス主義の基本文献「ナグ・ハマディ文書」のエッセンスとともに、その影響の強いマンダ教、マニ教の教典の主要な断章を抜粋し、人間と世界の起源と運命を解き明かそうとする神話的思考の全貌に迫る。
1999年および2011年に岩波書店より刊行された同名書籍の文庫化。

キリスト教最大の異端とされるグノーシス主義は、「悪は何処から来たのか」という難問をキリスト教会に突きつけ、古代から近代まで、宗教、哲学、科学などさまざまな領域に「裏の文化」として影響を与え続けた。ナグ・ハマディ文書やマンダ教、マニ教の文献の主要な断章を抜粋し、人間と世界の起源と運命を解き明かそうとする神話的思考の全貌に迫る。

著者:大貫 隆
1945年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科西洋古典学専攻博士課程修了。ミュンヘン大学にてDr.theol.取得。現在、東京大学名誉教授、自由学園最高学部長。主な著訳書に『ナグ・ハマディ文書』(共編訳)、『グノーシス考』『イエスという経験』『新約聖書ギリシア語入門』『グノーシス「妬み」の政治学』『聖書の読み方』『グノーシスの変容』ほか。

出版:講談社

グノーシスの神話 (講談社学術文庫)

1,221円(本体1,110円、税111円)

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